.tonboファイルの場合、書籍の全体、あるいは各ページの構造を作るために、多様な日本語タグを用いることができる。以下にタグ一覧を掲載しておく。
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日本語文書符号化システム
TONBOの文書のタグについて
var.1.0.1 2013年9月15日、鷲田豊明
※本稿作成に当たり「青空文庫 組版案内」を参考にさせていただいた。関係者に感謝いたします。
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1.目的
タグの意味が日本語で誰にもわかるようにする。Htmlとの対応関係を良好なものとする。Javascriptコマンドで容易に実現できるようにする。タグシステムの形式的首尾一貫性を重視する。スタイルファイルも用意する。
2.基本原則
tonboタグの共通原則を以下に記す。
(1)記号以外は日本語を使う。英字はコマンドとしては使わない。コマンドに付随する文書、ファイル名、単位表示などではあり得る。
(2)タグや属性に関わる記号は全て半角でも全角でもよい
(3)開始タグは [#〇〇]の形式。以下の文章でこのタグが有効になる。
(4)終了タグは[$〇〇]の形式。以上で開始タグの有効性が終わる。
(5)単体タグは[#〇〇$]の形式。このタグの有効性は前後の文字に及ばない。
(6)属性は、()に入れて、開始タグに入れるが、見出しのように終了タグに必要な場合もある。
(7)属性の数によらず、(鍵1:値1、鍵2:値2)のように鍵と値のペアで与える。「、」は「,」でもよい。(それ自体に必要属性が1つしかなくても、固有名や、組名が与えられる場合があるから)
(8)開始タグはその前に文章に影響を及ぼすものであってはならない。ルビのカナタグを除く。
(9)終了タグはそのあとの文章に影響を及ぼすものであってはならない。
(10)単体タグは、その前後の文章に影響を及ぼすものであってはならない。
(11)ファイルサフィックスはtonboとする。
(12)コマンドの送り字はあってもなくてもよい。たとえば「字上げ」でも「字上」でも、「奥付き」でも「奥付」でもよい。
(13)コマンドの中に改行や空白があってはならない。
(14)行コメントは // で与えられ、この右側は改行まで無視される。テキスト中で//を使いたいときは、%/%/と%でエスケープする。
(15)説明タグで複数行のコメントを与えることができる。
(16)[#をテキストで出したいときは、%[%#とエスケープする。
2.システムタグ
主にhtmlテキストのヘッダーにセットするためのタグ。システムタグは、行頭に置かれる必要がある。(改行コードを除く半角空白、タブなどの制御文字はあってもよい)
(1)タイトル[#タイトル(電子書籍第1章)$]
単体タグであることの最後の$は必須
(2)組み込み[#組込み(user.jss、book.css)$]
単体タグであることの最後の$は必須
3.一般タグ
本文の構造を与えるためのタグ。
(1)ルビ、[#ルビ]漢[#カナ]かん[$カナ]字[#カナ]じ[$カナ][$ルビ]
(2)見出し、[#見出し(段階:大)]第1章[$見出し(段階:大)]
段階:極大、大、中、小、極小、(デフォルト:大)
終了タグにも属性が必要である
(3)画像、[#画像(代替文書:現在の羅生門、ファイル:images/rashomon.jpg、横幅:120px、高さ:150px、配置:上)$]
単体タグであることの最後の$は必須
(4)文字飾り、[#文字(サイズ:大、色:赤)]〜[$文字](divで実現する)
デフォルト:サイズ:中、色:黒
(5)引用、[#引用]〜[$引用]
(6)原文保護、[#原文保護]〜[$原文保護]
(7)縦中横、[#縦中横]〜[$縦中横]
(8)字下げ、[#字下げ(字数:2)]〜[$字下げ]
デフォルト:1文字下げ
(9)字上げ、[#字上げ(字数:1)]〜[$字上げ]
デフォルト:1文字、また、行単位でのみ可:<span>を使っているので
(10)地付き、[#地付き]〜[$地付き]
(11)罫囲み、[#罫囲み(太さ:1)]〜[$罫囲み]
太さのデフォルト:1px
(12)字詰め、[#字詰め(字数:10、方向:縦書)]〜[$字詰め]
デフォルト:10文字、縦書
(13)奥付、[#奥付き]〜[$奥付き]
(14)傍点、[#傍点(記号:点)]〜[$傍点]
点、丸、ごま、二重丸、三角、デフォルト:ごま
強調文字とセットにしたくない場合は、ルビを使うことができる
(15)傍線、[#傍線]〜[$傍線]
1行単位でしか指定できない
(16)太字、[#太字]〜[$太字]
1行単位でしか指定できない
(17)段組、[#段組み(段数:2)]〜[$段組み]
3段組みまで、デフォルト:2段組み
(18)コメント [#説明]〜[$説明]
4.ブロックタグ
文章ブロック [#文章]〜[$文章]
htmlの<div> </div>に対応するタグ。固有名と組名を使ってスタイルを与える。デフォルトの動作はない。
5.固有名と組名(htmlにおけるidとclassに対応する)
タグには固有名と組名を与えることができる。属性に固有名という鍵と、組名という鍵であたえる。スタイルファイルと連携させることができる。
(1)固有名はそのファイル中で唯一の名前として与えられなければならない。
例えば、[#見出し(サイズ:大、固有名:章タイトル)]あるいは、[#引用(固有名:マニュアルより)]など。
(2)組名は複数のタグに与えることができる。
例えば、[#見出し(サイズ:大、組名:章タイトル)]
6.日本語スタイルファイル (tss)
タグにスタイルファイルを設定することができる。
(1)行頭にスタイル要素を与える
タグそのもの
固有名
組名
(2)スタイル
cssの中で、可能なものを組み込む。最低、
外余白 (margin)
内余白 (padding)
横幅 (width)
高さ (height)
背景色 (background-color)
前景色 (color)
は必要だろう。
例は次のようになる。
(ア)固有名を使ったスタイル設定
#マニュアルより{内余白:10px、外余白:20px}
(イ)組名を使ったスタイル設定
%章タイトル{内余白:10px、外余白:20px}
(ウ)本文スタイル
そのファイルの本文全体のスタイルを設定する
&本文{内余白:10px、外余白:20px}
以上