まず、metadataという名前で記載された情報です。metaデータには、現実的な内容の全体を規定している情報であると言う意味が込められています。
このmetadataの中には、dcないしはmetaで始まる名前のタグが十数個組み込まれています。
metadataは、書籍の内容そのものというより、「書誌情報」が記載されていると考えればよいでしょう。
ひとつひとつ見ていきます。
《ユニークID》
metadataの最初には、先に指定されたbook-id属性をもっているタグがあります。その値は:で区切られた三つの部分から構成されていますが、その最後のものがこの電子書籍のIDで、この書籍しかもっていないユニークなものです。このIDは、この書籍を区別する重要なものです。
このIDは、TONBOがこの書籍を新規に作成したときに、同時に作成し与えたものですが、なぜ、世界で唯一になるかは不思議です。実は、ある作り方をすると一致する確率が極端に小さくなるので、唯一であるといっても誤りではないことになっています。
TONBOが与えるIDは、8桁、4桁、4桁、4桁、12桁の英数字がハイフンでつながれたものになっています。
《メインタイトル》
<dc:title id=”title”>で始まるタグは、メインタイトルを定義しています。これがメインタイトルであるであることは、次の行にある、
<meta refines=”#title” property=”title-type”>main</meta>
によって設定されています。refinesの属性#titileは、idがtitleであるタグについてのより詳細な規定であることを示しています。そして、propertyのtitle-typeで、タイトルの方を規定し、その値mainでこれがメインタイトルであることが規定されるという構造になっています。
《タイトルのよみがな》
次のタグ、
<meta refines=”#title” property=”file-as”>こんにちはせかい</meta>
の、refines=”#title”は、このタグもまた、タイトルの詳細説明で、file-asは、タイトルをソートするときの情報与えるための属性指定です。タイトルの並び替えは、このよみがなで行ってくださいという意味が表現されています。よみがなそのものは、
property=”alternate-script”
という属性で与える場合もありますが、現在のバージョンのTONBOではその指定はおこなわず、よみがなは並び替え用のfile-asに入れています。将来的な変更の可能性はあります。
《サブタイトル》
<dc:title id=”subtitle”>電子書籍入門</dc:title> は、サブタイトルを示しています。ただし、サブタイトルは、次のタグと一体となって初めて機能します。
<meta refines=”#title” property=”title-type”>subtitle</meta>
《著者とよみがな》
著者は、<dc:creator id=”creator”>鷲田豊明</dc:creator>で示しています。さらに次の、
<meta refines=”#creator” property=”file-as”>わしだとよあき</meta>
は並び替え用のよみがなを規定しています。
《言語、改訂日時、カテゴリ》
metadataの他は、まとめて説明しましょう。
<dc:language>ja</dc:language>
は、言語を示しています。jaは日本語です。
<meta property=”dcterms:modified”>2013-11-22T22:27:04Z</meta>
は、改訂日時を表わしています。TONBOでは、同じ電子書籍でepubを作り直すたびに、その時点の日時表示に変更します。自由文庫に登録する場合には、新着図書として紹介されるためには、この改訂が正しく行われていることが必要になります。
<dc:subject>文学、フィクション</dc:subject>
は、主題ないしはカテゴリを表わします。書籍を新規に作成するときに設定し、その後、書誌情報の変更で変更することもできます。
<meta name=”ネット書房TONBO” content=”1.0.1″ />
は、TONBOで作成されたことを表わしています。contentの1.0.1はTONBOのバージョンを表わしています。このタグは、不可欠のタグではありませんが、TONBO上でこのmetaタグを削除することはできません。
《その他》
その他、この書籍作成時に入力を省略した項目など、あるいはそれ以外のこともこのmetadata領域で定義することができます。
TONBOで他に記述できることは、貢献者、出版者(社)、著作権者などです。
metadataの説明はこれで終わりですが、書籍を作成したとき、書誌情報を変更したとき、全体の設定を変化したとき、カバー設定をしたときなど、このmetadataの記述が予想されたように変更されているかを確認することは常に必要です。